1:)光華の姫-

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「少なくとも,僕からは言えないんだよ美弥…。 僕の立場も分かってくれ。」 腕の中でもぞもぞと動く美弥を逃がさないようにしながらも,睦は優しく言った。 「では父上に直接お聞きします」 そう言うと美弥はまた念を組み始めた。 霧が現れ,服が黄金色の着物に変わる。 「美弥…そんなに気を立てなくても…。」 睦のその言葉と同時に2人は客間から姿を消した。 飛んだ先は王室の前。 本当は部屋の中に直接入ることもできるが…礼儀というものがある。 「なぜ着いてこられたのです?」 美弥は今だに自分を抱きしめている睦の顔を不満そうに見た。 「何故って…君と僕が触れ合ってる状態で術を使ったから,僕まで一緒に飛んだんだろ。」 「…。」 ムスッとした顔をする美弥。 美人は台無しだが,こういう時々見せる幼さも可愛く、睦はその可愛さに惚れ込んでいる。
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