1:)光華の姫-

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「分かったよ。僕は消えるから,好きなように王に質問して来ると良い。」 再び美弥を強く抱き締める睦。 美弥は「ありがとう」と言って睦を抱き締め返した。 「…仲の良ろしいことで,何よりじゃなぁ…美弥姫様。」 突然現れたのは老婆だった。 「まぁおばば…居たのなら声をかけて下さいな。」 「そうですよ,おばば様。」 おばばと呼ばれたこの老婆は,古くからこの光華王家に使える女官で,この光華の集落では知らない者はいない。 おばばは物知りで,幼い美弥に色々な話をしてくれた。美弥が色々知りたがるのはこの影響だろう。 おばばには不思議な力があり,突然,様々なことを予言する。 このおばばに,光華の国は様々救われてきた。 「いやいや…お邪魔しては悪いと思うてなぁ。」 おばばはそのシワだらけの顔で微笑んだ。 「まぁおばばったら…。」 美弥は照れたように睦から離れた。
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