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「分かったよ。僕は消えるから,好きなように王に質問して来ると良い。」
再び美弥を強く抱き締める睦。
美弥は「ありがとう」と言って睦を抱き締め返した。
「…仲の良ろしいことで,何よりじゃなぁ…美弥姫様。」
突然現れたのは老婆だった。
「まぁおばば…居たのなら声をかけて下さいな。」
「そうですよ,おばば様。」
おばばと呼ばれたこの老婆は,古くからこの光華王家に使える女官で,この光華の集落では知らない者はいない。
おばばは物知りで,幼い美弥に色々な話をしてくれた。美弥が色々知りたがるのはこの影響だろう。
おばばには不思議な力があり,突然,様々なことを予言する。
このおばばに,光華の国は様々救われてきた。
「いやいや…お邪魔しては悪いと思うてなぁ。」
おばばはそのシワだらけの顔で微笑んだ。
「まぁおばばったら…。」
美弥は照れたように睦から離れた。
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