1:)光華の姫-

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「それで美弥姫様? 王に何かご用があったのかね?」 「ええ。ちょっとお聞きしたいことがありまして。」 美弥は笑顔で答えた。 しかし… 「止めなされ。」 おばばは美弥を真っ直ぐ見て言った。 途端に美弥の笑顔は隠れ,王女らしく,凛々しい声でおばばに問う。 「何故です?」 しかしおばばは美弥の問いに答えようとはしなかった。 「睦殿?あなたはまた美弥姫様に話されたのかね?」 突然話を振られた睦は驚いた様子だったが,すぐにおばばの言いたいことを察した。 「申し訳ありません…。 もちろん今回は内容までは話していませんが…その…。」 さっきまでの睦と違い,自信のない話し方をする。 「全く…前から言っておるが,睦殿は美弥姫様に甘過ぎじゃ。 いくら恋人と言うてもなぁ,それでは大臣として問題がありますぞ。」 「申し訳ありません…。」 若いとは言え大臣職を任されている睦でも、古顔のおばばの前では頭が上がらないようだ。
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