序章

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この,人間界とは隔離されたもう1つの世界…つまり霧界はちょうど空に浮かんでいるような形で存在する。 四季はなく常に適温じゃ。 じゃが霧界にも,人間界と同じように空も草も川もあるぞ。 もちろん人間には見えぬ世界じゃがな。 念使い達はこの霧界でそれなりに幸せに暮らしておった。 じゃがなぁ…どうしてそうなるのかは分からんが, また対立してもうたんじゃ。 今度は念使い同士でな。 対立の理由はなぁ… これはお前さんがもう少し大きゅうなってから話してやろう。 その念使い達は2つの集落を作って,はっきりと割れた。 力強く, 凛々しく, 矢のように素早く技を操る 「力矢」の衆と, 華麗に, 鮮やかに, 光のように美しく技を操る 「光華」の衆じゃ。 使う術は同じなのじゃがなぁ,術を使う時の念の組み方が少しずつ違うんじゃよ。
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