始まり

65/68
2179人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
「…なんか変だと思った」 「海翔?」 「フッまぁいいか」 可愛らしく首を傾げる輝羅を見れば、そんな事も気にしない。 「海翔、どこか行っちゃう?」 「俺はどこも行かないよ。 輝羅とクラス一緒だし、部屋も一緒だから」 「本当にっ?」 「本当。だからずっと一緒にいれる」 「えへへっ、やったぁっ」 「輝羅」 「なぁに?」 僕が返事をすると、急に僕の視界が真っ暗になった。 「ほえっ?」 でも海翔の匂いがして、抱きしめられてるんだ。ってすぐに分かった。 海翔だと分かり、僕も海翔の背中…と言うか背が足りないので腰辺りだが、僕もぎゅうっと抱きしめた。 「輝羅の匂いがする」 「海翔の匂いもする」 お互いにクスッと笑い合い。僕はそのまま、安堵するように、海翔の腕の中で、眠りについた。 _
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!