始まり

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輝羅を抱きながら歩く 俺が目指すのは『寮管室』 手書きで『ノックしろ!』と書かれたのをチラっと見てドアをノックする しばらくすると俺達の世界にいそうな顔の人物が出て来た。 俺を見たあとに、俺の腕の中にいる輝羅を見た 「なんでコイツがいるんだ? お前は誰だ?」 輝羅を知ってるのか? 言葉的に知り合いみたいだ 輝羅はここに来て親しい奴を何人か作ったみたいだ 守らなければ。傷つくのは輝羅だ。 「俺は今日転校して来た者だ 輝羅とは同室」 「確かにソイツは一人で部屋使ってるけど 転校生が来るだなんて報告は…」 ―プルルルッ 突如部屋の中から鳴った電話の音 「ちょっと待っとけよ?」 そう言って固定電話へ歩いて行った 「はい。 あ、理事長 はい、はい。あー、はい 分かりました。 今俺のとこに来てますよ 分かりました。 それじゃあ…」 カチャっと音を立てて受話器を置いてこっちに戻って来た。 「今理事長から電話が来た お前はコイツの部屋だそうだ。 部屋まで俺が案内する」 寮管は靴を履き直す 「案内しなくてもいい。何号室か聞けば自分で探す」 「生徒を授業時間にうろつかせる訳にもいかないだろ。それに、ソイツを持ったままじゃ大変だろ まぁソイツ軽いと思うけど」 確かに輝羅は軽いので全く苦にはならない けれど、この寮管の意見も一理ある。 「案内頼む」 「ああ」 _
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