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ドクン、ドクンと心臓の音が全身に伝わる。
頭がボーっとし始めた。
落ち着け、俺。
「…俺さ、春日のこ」
「ちょっと待って、」
若林の言葉を遮った。
若林のすぐ隣に歩み寄る。
こっち見んな、と言って若林は俺のほうを見ようとしない。
「…わかばやし」
なんだよ、とぶっきらぼうな返事が返ってくる。
「耳、まっ赤だぞ」
そう言うと、若林は両手で耳を塞ぎだした。
「もういい。もう言わない。さっきのなかったことにして。
全部忘れて」
そのままの状態で、一息で言われた。
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