いつもそばに 大鳥

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――息が、苦しい。 「…っはぁ、はぁっ‥っはあ」 呼吸が普通にできない。 「若林っ」 様子のおかしい俺に気づいた春日が、勢いよく立ち上がる。 ガタッと派手な音を立てて椅子が倒れた。 ぜぇぜぇ言っている俺の背中を必死でさする。 あたりをキョロキョロ見回して何かを探している。 「かすっかすがっ、はぁっ…っ、はぁ」 苦しくて苦しくて、息が吸えない。 ――背中に感じていた春日の手の感触が、不意に消えた。 .
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