いつもそばに 大鳥

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「…おさまったか?」 あてがっていたビニール袋をはずし、春日は聞いた。 まだ少し呼吸は浅いものの、会話をできるくらいにはおさまっていた。 今さらながらに春日に後ろから抱き締められているというのをやけに実感しながら、あぁ、と答えた。 ―春日が持っていた袋を落としたのか パサ、と渇いた音がする。 「…すまなかった」 春日の太い両腕が、俺の胸の前で交差される。 番組、調子にのりすぎた、と言ってうなだれる頭が首元にうずまる。 本当にすまない、と繰り返す春日に、俺は もういいって、と制した。 .
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