優しさは雨の中で 大鳥

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「あーあ、こんなに濡れちゃって」 春日は首にかけていたタオルを俺の頭にふわりとのせた、 かと思えば、俺の濡れた髪を乾かそうとタオル越しにがしがしと手を動かしはじめた。 それはまるで親が子にするかのような動き。 なんだか照れくさくなってタオルを奪いとった。 「あ、せっかくの春日の優しさを」 そう言ってふくれたような顔をする。 「いやそんな顔しても可愛くないから」 冷静な突っ込みをいれ、奪ったタオルを春日の首にかけなおす。 数秒の沈黙が流れ、雨の音だけが響いた。
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