もっとつよく 免許

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――お疲れ様でしたー。 「ふぅー…」 一息つく。 今日の仕事はこれが最後やな… 最近男前ランキング1位をとったこともあって、ピンの仕事が大幅に増えた。 隣に井本がおらんのはホンマに不安で、何をしゃべったらええのかわからんくなるし、めっちゃ挙動不審になってたと思う。 楽屋でも一人じゃなんもすることなくて、ずっと暇を持て余していた。 今はだいぶ慣れたけど、やっぱり寂しいもんは寂しい。 「あーー井本ぉ…」 家路に向かう帰り道、一人呟きながらとぼとぼと歩いていた。 不意に鳴り響く着信音。 井本からや。めったに電話してくることなんてないのに。 『あー藤原?もう仕事終わったやろ? 今からうち来て飲もうや。今すぐ来いよ』 プツッと一方的に電話は切られた。
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