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「…10倍返しで勘弁してやろう。」
ウィルバーのお財布事情がちょっと心配。
ミレストの覇気とも邪気とも取れるオーラに、ウィルバーは先程からビクビクしてばかりだ。
どうやらミレストは本当に十倍返しで弁償しなければ許さないらしい。
(怖、怖いよ~…!だ、誰か、助けて…!)
ミレストは満面の笑顔だが、目が全然笑っていない。気の弱いウィルバーにはそれだけでもう失神寸前の威力であった。
「あ~…ちゃんと弁償しますんで、その辺で勘弁してやってくれませんか?」
そこに、遠くで見ていたアクスがウィルバーとミレストの間に割って入り、気だるそうな声で言った。流石にウィルバーが可哀想だと思ったのだろう。
自分のオーラに臆す事なく現れた介入者に対し、ミレストは若干驚いた表情になる。
「…君はこのヘタレ君の友達かい?」
ヘタレ君と言われて酷く傷つき、体育座りで落ち込むウィルバー。アクスは気にせず続ける。
「ええそうですよ。あ~、自分はアクスっていいます。この落ち込んでいるのがウィルバーです。とりあえず落ち着きません?ちゃんとウィルバーが弁償するんで…」
「…わかった。今回はアクス君の勇気に免じてそれで勘弁してあげる。」
満足そうにうなずくと、リオンのいる所まで戻っていった。
・・・
「今回は、許してやろうかな。」
「ミレさん、よく出来ました!」
どうやら、ミレストは弁償と言うことに納得してくれたらしい。何やら電卓を叩いているが、これでどうにかなりそうであった。
「うぃるば君、こっちこい。」
「あ、ハイ…」
先程まではうって変わって、大分穏やか笑みを浮かべている。そうして、彼に見えるように電卓の合計金額を見せたのであった。
10000ゼル。
一言で言えば、ぼったくりとも言える金額がソコには表示されていた。
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