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「あ~…それじゃ、こういうのはどうでしょう?」
放っておけばいつまでも終わらなさそうなやりとりを見かねたアクスが、ミレスト達に提案した。2人がこちらに注目するのを確認すると、まだ床にしゃがんでいるウィルバーの頭に軽く手を置く。
「もし先輩が協力してくれるなら、一回協力してくれるにつきウィルバーが先輩にハチミツレモンを奢るっていうのはどうでしょう?」
「え、ぇえ!?そ、そんな…」
その時のアクスの表情は、清々しいくらいの笑みだった。反対にウィルバーは青ざめていたが…
アクスが提示した条件に、ミレストは満足げに頷く。余程蜂蜜檸檬が好きなのだろうか。その事をウィルバーが尋ねようとすると、予鈴が鳴り響く。
この後は、新入学生徒歓迎会である。
リオンは優雅に、ミレストはぶっきらぼうに二人に告げた。
「じゃあ、また歓迎会でお会いしましょう。」
「ばいばい~。」
「あ、またね…」
ウィルバーの言葉を聞かずに、二人はスタスタと食堂を後にするのであった。
その後、体育館いっぱいに全校生徒を集めて歓迎会が始まった。
リオンの周りには、男女問わず彼女を囲むように人集りができている。リオンは、屈せず笑みで接していた。その隣には、彼女の後輩であるフレアの姿もあった。
流石は上流階級の二人。様になっている。
一方ミレストは、蜂蜜檸檬の瓶を片手に食事を進めていた。食欲は旺盛らしい。その横には、弟のカルヴァンとアクスとウィルバーの姿。苦笑いしつつも、空気を楽しんでいるようだ。
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