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歓迎会も中盤の頃、辺りがシーンと急に静まり返った。様子を伺うと、どうやらVIPが来たようだ。
「まさか、王女様が…!?」
「麗しい…」
男女問わず、彼女の登場に称賛を口にする。悪く言えば媚売りだ。
そう、アーレイベルグ王国第二王位継承者である、メリル・L・アーレイベルグ王女が来たのだった。
ウィルバーに至っては、真っ赤になっている。
リオンはニヤニヤし、ミレストとアクスは相変わらず食事に没頭しているし、フレアは困惑する始末である。
「ん…?だれか来たのか?」
ようやく回りの変化に気づいたアクスは、真っ赤になっているウィルバーに聞いた。
「だ、誰って…メリル王女が来たんだよ!ど、どうしよう、どうしよう」
ウィルバーは突然の事に慌てふためいている。
それを見てアクスは軽くため息を吐く。
「はぁ…落ち着けってウィルバー…そんなに気になるなら、話すまでいかなくて良いから、近くで見てきたらどうだ?」
「え、で、でも、その…///」
なにが恥ずかしいのか知らないがウィルバーは顔を真っ赤にしてモジモジしている。
それを見てアクスはいい加減面倒くさくなってきたのか、リオンを呼び…
「すいません。このヘタレを運んで逝って貰えませんか?」
「お安いごようです!さあ逝きますよヘタレ君!」
リオンに全てを任した。本人の有無を関係無しで。
「え、ちょ、ええぇぇぇェェ…」
リオンはウィルバーの袖を掴むと、ものすごいスピードでウィルバーを引きずっていった。
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