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会話のキッカケが中々掴めないウィルバーに痺れを切らしたのか。リオンは、彼の肩をぽんと叩いた。
「彼は、ウィルバー・ウィンザードですわ。私のチームメイトですわ」
「あ、ウィルバー・ウィンザードです…」
「…ふぅん。よろしく」
(返事をくれた…!)
ウィルバーは、初めてメリルと会話ができたのが嬉しいのだろう。ゆでダコのように顔は真っ赤だ。
リオンは、これは行ける!と思ったのだろう。提案をメリルに持ちかける。
「メリル王女、ブルーバードレッドになってくれませんか?」
「ぶるー…ばーどとは?」
(え、えぇぇ!)
みんな、ビックリである。相変わらず彼女に悪気は無いが、余りに唐突過ぎる提案だ。説明は一切なし。とりあえず提案だけしてみるのが彼女のクオリティ。
ウィルバーは、どうなるのだろう…とハラハラしっぱなしである。こうしている間にも、リオンは色々と説明をしている。
一通り話し終えたらしい。メリルはふむ、と悩んでいるようだ。
(どうなるのかなぁ…)
どきどきである。もしも、彼女もチームに入ってくれたら…と考えるだけで卒倒しそうになる。
しかし、現実はそう甘くはなかった…。
「悪いが、考えさせて貰おう…」
「メリル王女様、そろそろ…」
答えは、NOに限り無く近いもの。相変わらず無表情で、感情は読み取れない。結局は、ボディーガードに連れられメリルは帰ってしまったのであった。
失意のまま、ウィルバーはアクスに肩を借りてとぼとぼと寮に帰ったのだった…。
「泣くなよ、制服が汚れるだろう」
「アーグーズーー…」
いささか、この先が不安なのは、アクスだけでは無い…。
因みに、アクスとウィルバーは同室。
しくしくと泣いてばかりいるウィルバーに、アクスは容赦なく鉄拳を喰らわせ、シエスタを楽しむのであった…。
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