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「とりあえず話し、元に戻そう。キリないから」
「そうですね」
「で、交渉って?」
「……実はですね、困った事に」
「うん」
「天国が店員オーバーなんです」
「……は?」
思いも寄らぬ青年、いや、この際名乗っているのだから神と呼ぶべきなのだろうか。
自分の目の前に立つ人物が口にした言葉に思わずポカンと口を半開きにしてしまう鞠亜。
だが神は一行に気にする様子もなく口を開くとマシンガントーク並の言葉を次々と気怠い様子で並べ立てるのだった。
「いや……これが困った事に最近天国も人で不足でして。おまけにどうも無能なアホが多くてですね……なかなか亡くなってからの、死亡手続きから始まるありとあらゆる書類や一番肝心な輪廻転成の書類やらを作成出来ずに、とうとうそんな状態になってしまったと言うか何というか……全く本当に困ったものですよねぇ」
溜息をつきながらも言い終わりスッキリしたのか満面の笑みとばかりにニコッと笑いかける神様だが鞠亜からしたらツッコミ所がある箇所ばかりな訳で。
とりあえずその、やり場のない気持ちを微塵も迷いもせずにマシンガントーク返しといえよう長ったらしい文を並べ立てる事にしたのだった。
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