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俺の口に餌を運ぼうと身を乗り出すご主人。
「!」
俺はご主人の手に噛みついた!
「きゃああ!」
ご主人が尻餅を着く。
「ウォンオン!」
(ってぇんだよっ!このバカ女!)
俺は怒り吠えする。
「な、なにすんのよっ!」
ご主人が平手打ちをかましてくる。
反射神経がずば抜けている俺は、ひょいとかわす。
「ガルルルっガウバウっ!」
(シッポ踏んだのお前だろーがっ逆ギレしてんじゃねーよ!)
「な、なにそんな声で吠えてんのよ!?」
たじろぐご主人。
「ガウウゥ!」
(吠えちゃ悪ぃか!地声なんだよっ!)
俺は戦闘態勢をとる。
「もう!あ、あんたなんかご飯抜きよっ」
ご主人は手をさすりながら去っていった
ふん!俺のシッポ踏みやがったくせに。っつーかメシ食ったばっかだっつってんだろ?まぁ、いいさ。俺には非常食があるからな。
午後になってご主人のカレシが来た。こいつは大嫌いなヤツだ。俺の血統書付きというのを利用して、自分家のブッサイクなメス犬と結婚させて、子供を高く売ろうと企んでる。
「いやぁ、ラッシュはいつ見ても毛並みがいいなぁ…流石は血統書付きだな」
血統書付きがなんだ?ンなもんじゃ腹も膨らまねぇっつの。
「それはそうと、聞いてよぉ…ラッシュったらぁ私の手を噛んだのよぉ」
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