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俺は飛び跳ねて喜んだ。
最後にバカ女とカレシをからかうか…
バカ女の自室の窓に向かった。
中ではカレシの手当がすんだところだった。
「まったく畜生の分際でぇ!」
カレシは真っ赤な顔をして怒り心頭の様子だ。
ぷぷっその顔も笑えるぜ。
よし、やってやるか。
俺は天に向かって喉を垂直にあげた。
「うぉおおお~…ん」
遠吠えをした。
負け犬の遠吠えぢゃねぇぞ?勝ち犬の遠吠えだぞ?
バカ女とカレシはびっくりしてこっちを見た。
ははっ目ん玉が飛び出てるぜ♪
俺はピョンピョン飛び跳ねて家の入り口に向かって走った。
「ま、まちなさい!ラッシュ!ラッシュ!」
誰が待つか!
バカ女が追いかけてくる。
「あんたに…いくら…つぎ込んだと…思っ…てんのよ!」
息を切らして言っている。
なに勝手なこと言ってやがる?俺は頼んじゃいねぇぞ。
チラッと振り返ると…
どてっ
あ、あいつこけてやんの。ウケるっ♪
バカ女は派手にアスファルトに顔面を打ちつけていた。
「おおぉ~ん」
(あばよバカ女!俺の眼鏡に叶わなかったのが運の尽きだ!)
俺の足取りは軽やかだった。
顔面血だらけの元ご主人を見向きもせず俺は走って行った。
「アオアオ~ン!」
(俺は、自由だ~っ!)
俺はこうして自由になった。
首輪外せないけれど、誰もなでないけれど、何処へでも走って行くさ!
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