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危なかった……。
何が危なかったって、俺も俺の息子も。
まさか、あのパジャマを着てくるとは思わなかったものだから。
「反則だよな、あれ……」
ホント反則だ。
俺が下心有り有りであげたパジャマを着てくれるなんて。
「……どんだけ可愛いんだよ」
兄貴相手にキュンとしちゃうじゃないか。
何気に弟思いな兄貴に、不覚にもドキドキしてしまった。
「広、何か言ったか?」
「どぅわっ!?」
突然、何気ない顔をした兄貴がキッチンからひょっこりと出てきて、声を掛けてきた。
予想外の出来事にまたもや奇声を発する。
ホント心臓に悪いよ、兄貴……。
「ちょ…、兄貴、いきなり声掛けるのやめろよ!」
そう言うと、兄貴は無表情のまま目を伏せ、睫毛をふるふると震わせた。
他人からは分かりにくいだろうが、これは困っている時の表情だ。
困らせてしまったことに反省したと同時に、その顔に下半身が疼いた。
この事は絶対に内緒にしよう。
「……だって、お前に夕飯と風呂どっちにするか聞くの忘れてたし…」
あれ、会話が噛み合っていないんだけど…。
俺はあくまで、突然声を掛けないで欲しいと言ったのだ。
まったく、天然というか抜けてるというか……。
ていうか真面目にその顔やめてね?そそるから。
兄貴を見て下半身にクるとか、どんだけ溜まってるんだと自分に問いたくなった。
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