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愛する人に逢うため、
いつも朝早くから城を出て
馬を走らせたこの道も
今日で最後、
もう通ることは無いのだろう
自分の体に異変が起きたのは
つい最近、一週間程前で
何も無いような所で躓いてこけそうになった
その時は、
一緒に居た佐助に
旦那はホントどじだね~
と笑われて拗ねただけ
でも次の日の朝、
目が覚めて起き上がろうとしたのに
なかなか力が入らず
結局 佐助に支えてもらいながらやっとの事で起き上がれた
流石に佐助もこれはおかしいと思ったらしく、
心配かけたくない と反対する俺を押し切ってお館様に報告された
我が師はそれを聞くなり
直ぐに医者に診せろ と言って下さり
医者に診てもらった
それが治せない、治らない病気だと次の日知らされる
不思議と、悲しみや恐怖もなどという感情は浮かばず
始めに頭の中に浮かんだのは最愛の人
政宗殿だった
あと半年程の命だろう と
容赦の無い医師の言葉
段々と体の筋肉が動かなくなっていき
寝たきりになって
声も出にくくなって
最期は瞼程しか動かせなくなるらしい
そうなると、死は間近という知らせ
話す事も出来ないので
最期の別れの言葉も
感謝の言葉も
言えない
自分はこんな残酷な病気に罹ってしまったのだ
あと半年....
今は夏だから
きっと秋が来て
見る見るうちに寒くなり
雪が降り出す頃に
自分はこの世から
いなくなる
.
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