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だから、
だから決めた
もうあなたには逢わないと
今日は調度奥州に遊びに行く約束をしていた日
今日あなたの所へ行き
病気の事は告げずに別れよう
ただ、もう逢えない と
それだけを告げて帰ろう
あと半年程で命を尽かす様な者に
政宗殿は釣り合わないのだ
これは自分が考えに考え抜いて出した答え
好きだからこそ離れないと と
そう思ったから
きっともう通ることは無い
甲斐から奥州までの山道
これが最後
どのみち、今の時点で歩く時少し足がふらつくのだ
今日程でしかもう
自力で奥州には行けないだろう
そんな事を考えながら
馬を走らせていると
前方から愛する人が俺の名前を呼んでいるのに気付いた
迎えに来てくれたのだ
「Hey 幸村!!
元気だったか?
久し振りじゃねーか!」
無駄にテンションの高い政宗殿
「久し振りって...
ほんの二週間程でござろう」
微笑みながら言うと
「いや、二週間も逢ってないんだぜ?長ぇだろ
それとも 幸村は俺に逢えなくて寂しくなかったのかよ」
少しふて腐れる
「いえ、某も寂しかったでござる
貴殿に逢えない程辛い時間はありませぬ故」
「...ホントかよ?」
「はい」
「ならいい!」
直ぐに機嫌を直す政宗殿
本当、可愛くて仕方がない
二人で仲良く話をしながら
青葉城へ向かった
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