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「桜にも見せるつもりだったんだけど、帰ってからどっちが先に見つけたかとか、どっちが桜のこと好きかとかでケンカになったんだよ。桜は『ケンカやめて~』って大泣きしてさ。ガキの頃。覚えてるか?」
私は首を縦に振った。
―――そう…だったんだ。
「高校入ってから、桜が空を好きなのがわかって、俺は二人でここへくればいいって勧めたんだ。でも、空は『三人で見たい』って―――」
翔の言葉がつまった。翔は私に背を向けた。肩が、震えていた。
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