空が見た雲

6/15
前へ
/83ページ
次へ
上靴を履き替えるのも忘れて、私は外へ駆け出した。 走らないと、自分が自分でなくなりそうだった。 「!」 不意に腕を掴まれた。翔だ。 「離して」 翔は首を横に振った。たまっていた私の気持ちがそこで一気に出てきてしまった。 「翔にはわからないわよ。私の気持ちなんて。好きな人を失った気持ちなんて・・・!」 「わかるよ」 翔が強い目で私を見た。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加