177人が本棚に入れています
本棚に追加
“ならいいんだけど…。あ、もしかして私が美咲のこと思ったら美咲に聞こえちゃうの?”
“なら、今の時点で筒ぬけだな”
綾香は美咲を確認するが美咲は、なに変わらず恭夜と話している。
“聞こえてないみたいね…”
“そういうこと。俺は聞こえるようにしようと思えばできるが、あやはただの人間だから無理だな。元々これは死神の力の一つだから”
“今どさくさに紛れてあやって呼んだでしょ。やめてよね”
“嫌なのか?美咲はそう呼んでるけど”
“(嫌ってわけじゃ…。でも、男の子にあやって呼ばれると恥ずかしい)”
“へぇ~、俺のこと男って意識持ってんだぁ。昨日の夜はあまりにも無防備に寝てたから全く意識してないと思ってた”
「え!?」
自分の思ったことも恭夜に伝わっていて、驚き思わず声を出してしまった。
「ん?あや、どうしたの?」
それまで恭夜と話していた美咲が話を中断して話し掛けてきた。
「な、なんでもないよ」
「そぉ?」
そう言って美咲はまた恭夜と話を始めた。
“危なかった…。それよりなんで私の思ってることまであんたに筒ぬけなわけ?”
最初のコメントを投稿しよう!