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「だからいいって言っただろ」
「どうなってんの?まさか血糊?」
「そんなはずないだろ。切られてすぐに治したんだ」
「よかった」
「なにが?」
「恭夜が死んじゃうかもって思ってたから」
綾香は恭夜に会ってから一番の笑顔をして言った。
「ん…。その、なんだ。心配されんのはうれしいんだけど、俺元々幽霊みたいなもんだし滅多なことじゃ死なないのぐらい少し考えればわかるっしょ」
恭夜が照れながらそう言う。
(やべ、なに考えてんだ俺。人間に、しかも担当の奴にドキッとするなんて。しかし今の笑顔は反則だろ…)
「それもそうだね。私、人の血見るのって苦手だから気が動転してたみたい」
「そっか。それより悪かったな…」
「え?なにが?」
「なにって、悠馬のこと」
「ゆうま?」
「さっきの赤髪の死神のこと。あいつ、何故かしらんが俺を殺したがってんだよ。そのせいで、綾香巻き込んじゃってさ…」
綾香は恭夜と悠馬【ゆうま】のやり取りを思い出す。
「いいよ。だって恭夜はちゃんと守ってくれたじゃん」
(自分が怪我をしてでも守ってくれた。それがすごく嬉しかった)
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