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着いてみるとやはり男の子はいなかった。しかし、同い年か少し年上ぐらいのスーツ姿の銀髪の男が目の前にいた。
(うわ、綺麗な髪)
綾香はその珍しい髪に見とれていた。
(あれ?人間じゃない…。でも幽霊とも少し違うなぁ)
少しして気がついた。彼の背中には黒い羽が生えているのである。
(それにしても、ああも見つめられちゃうと恥ずかしい)
男は綾香のことをじっと見ていた。
「幽霊さんじゃないみたいですね…。あなたは何者ですか?」
恥ずかしいのを紛らわすのも含めて話し掛けてみる。
「…」
「あの~」
「俺が見えてるのか。こりゃ珍しいやつ担当になっちまったな」
綾香にはどういう意味かわからないが、男は独り言を話している。
「通じてる?」
「あぁ、めんど。人間と話さにゃいかんとは…」
(なにこいつ。人の話し聞かないし。ムカつく)
「ねぇ!聞いてんの?」
「うっせぇな。まぁ、俺のこと見れる人間始めてみだからいいこと教えてやるよ」
どこからだしたのかいつのまにか男は自分の身長ほどの大きな鎌を右手に握っていた。
「お前は1週間後に死ぬ…」
そう言うと同時に男は綾香の首目掛けて鎌を振りぬいた。
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