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「え?」
綾香は首を切られたと思っていた。でも、切られたどころかかすり傷一つできていない。
「いきなり何すんのよ!あたったら切れてるところだったじゃない!」
「いや、切れてるぜ」
(何言ってんのこいつ)
「ふっ、わからないのも当たり前か。いいだろう、特別に教えてやるよ。俺が切ったのはお前の1週間後以降の未来だ」
「未来?そんなもの切れるはずないでしょ」
「まぁ、信じられんのも当たり前か。普通なら人間共には、俺ら死神の姿は見んのだからな」
(死神?)
「だが、俺達が切った者が死ぬのは絶対だ」
「そんなこといきなり言われたって誰が信じるのよ」
「それもそうだな。ん、ちょうどいい、あそこの爺さんあと少しで死ぬぜ。あいつの後ろに俺に似た恰好の男いるだろ」
「え?いるけど…」
「どうせ今日は暇なんだろ。なら証拠に見についてこうぜ」
「どうせ暇ってなによ。勝手に人のこと暇人にしないでよね」
「ん?違うのか?友達には遊ぶの断れてただろ」
「何であんたがそのこと知ってんのよ。まさかつけてたの?」
「まぁな」
「まぁなって…。あ!もしかして朝の羽ってあんたの?」
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