闇の曲

闇の中、そこに見えるものは、

闇、

そう闇しか見えない。
今思い出せるのは、過去の楽しかった日常だけだ。

ふと音がした・・・記憶の中で聞いたことのある音だ・・・
その音は次第に音楽に変わった。

だが思い出せない、
曲名がどうしても出てこない

その曲は川が流れるように静かでとても悲しい曲だった。
(この闇の中ならすばらしいBGMだな)

本気でそう思った。
だが、それと同時に辛かった日々の思い出まで流れてきた

楽しかった日々

辛かった日々

悲しかった時

嬉しかった時

そのすべてが今では懐かしい。
でも・・・
(何かたりない)

心の中で物足りなさを感じた

(俺は何を忘れているんだ)

その時、曲が変わった。

その曲は川が流れるようにゆったりした、美しい曲だった。
その曲は確かに記憶の中にあった

(そうた、この曲は俺が好きであいつがよく引いてくれた曲だ)
どんなときでも俺の隣にいて、支えてくれて、俺をいつまでも待っていてくれた
そう思ったら彼女の笑顔が見えた
(あの笑顔に何回も助けられたな)

(このまま死ぬわけにはいかないな)

俺は歩きだした、

光の見えるとこまで
どこまでも・・・・・・