~第一章『退屈』~

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昼食も食べ終え昼休みも終わり、クラスに戻った。 このクラスはあまり居心地が良くない。 湊や剣護が居ないからか、ただつまらない。 湊や剣護のクラスならあの二人の事だ。 他人がそう思っても俺だけはそんな事を考える暇も無いほど苦労する事だろう。 アイツの事だしな… って、決して湊が好きだからとかそういうわけじゃなく 「…って、なに考えてんだ、俺」 自分らしくもない。 剣護や春香、湊と居て退屈はない。 だが、決して心が満たされるわけでもない。 いつも、どこか虚しさを感じる。 そう思う俺は贅沢なのだろうか? こうして今日もいつもと同じ毎日が終わる。 それは決して変わることのない絶対的な事だと思っていた。 そう、いつもの帰り道にあんな不可思議な事が起こるまでは間違いなく自分はそう思っていた。
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