~第一章『退屈』~

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    ****** 放課後、流弥と一緒に帰ろうかと流弥のクラスへ行った。 けど、流弥はもう帰ったらしく急いで下駄箱で上履きから革靴に履き変え走って流弥のあとを追った。 走り続けているとよく通る横断歩道で信号が変わるのを待っている流弥を見つけた。 やっと見つけたと安堵のため息を吐きながら流弥の元へ向かった。 だけど、近づくことができなかった。 別に話しかけるのが恥ずかしいとかじゃなく、流弥がどことなく寂しそうにしてたからなんとなく近づきにくかった。 けど、本当は恐かったんだ。 流弥に嫌いだって言われるのが。 私のなにかが壊れそうで恐かった。 「どうしちゃったのかな、私…」 好き‥なのかもしれない。 そう思うようになったのはいつからだろう? 考え込むうちに自分の頬が熱く、ほてっていることに気づいた。 「ヤッホー、湊先輩!」 頭を激しく振って気を紛らわしている私の耳に聞き覚えのある元気な声が聞こえた。 「春香ちゃん!それに剣護!」 私の向いた方向には腰の辺りまである長い髪をツインテールにしていて、可愛らしい顔が特徴の春香ちゃんと茶髪で跳ねたくせっ毛が特徴の春香ちゃんの兄で私と同級生の剣護がいた。
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