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「どうしたんですかぁ?神島さんの事、見て顔を真っ赤にしちゃって」
春香ちゃんが不適に微笑む。
「べ、別にたまたま見かけたから話し掛けようとしただけよ!」
「たまたまって言う割には帰る時、急いでいませんでした?」
春香ちゃんがニヤニヤしながらこちらを見てくる。
私は焦りを必死に隠すように冷静を装う。
「な、なにが言いたいのよ!…って、どうしたの?」
文句を言うも春香ちゃん、それに剣護の視線までこちらを見ていないことに気づいた。
見ているのは私の後ろの方?
「いや、流弥の前に変な穴が現れた」
「えっ?」
要領得ない剣護の言葉に疑問を抱きながら流弥を見た。
「!?」
見た先には不可思議な歪みの穴に進もうとする流弥の姿が。
他の人は穴にも気づいてないみたいだ。
止めなきゃっと思った。
彼がどこかへ消えてしまいそうで。
そうしたら体が勝手に動いてた。
剣護や春香ちゃんが慌てて止めにはいるもそれを振り切って流弥に抱き着いた。
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