~第一章『退屈』~

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変化していったのは、11歳の頃。 それまでは普通だった自分が少しずつ同い年の友達より秀でてきたのは。 徐々に頭が良くなってきた12歳。 気づけば学年一の天才と呼ばれるようになっていた。 天才、天才などともてはやされるのが嫌で思い切って勉強をするのをやめた。 そんな自分を母は凄く心配していた。 だけど、学力が落ちる事はなかった。 ただ単に授業を受けるだけで、学習できたからだ。 それに加え勉強をサボって遊びでやっていたサッカーや野球でもエースとして活躍していた。 それもあってか、中学入学直後はサッカー部に半ば強制的に入れられ、エースとしてやってきた。 高校生と試合を組んで勝った事もある。 中学でも、天才とより一層言われるようになった。 そして14歳になったばかりの頃に母と父は離婚した。 原因は父の浮気。 相手は勤め先の女だと母が言っていた。 以前から夫婦関係は上手くいってなかったのだが子供だった俺に心配かけまいと平静を装っていたらしい。 昔から、両親は夜中になると口論ばかりしていて、母がよく泣いていたのは知っていたが幼かった俺には、なぜ泣いてるのかなんてまるで理解できていなかった。 離婚の話を父と母から聞いた時、離婚の原因のくだらなさに呆れて思わず父を殴り飛ばしていた。 普段も多少の殴り合いはあったが、この時ばかりは我を忘れて殴り掛かっていたと思う。
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