501人が本棚に入れています
本棚に追加
―――くだらない―――――…
―――くだらない―――――…
―――くだらないっ!!―――…
無視をされたりするのは別に構わない。
友達なんてもの元より自分には少ない数しかいない。
だが、机などに変な事をされるのは耐え難かった。
片付けに手間を取る。
中学と同じように始まった虐めは一年の終わりに部活を辞めた事によって呆気なく終わりを告げた。
そして二年生に上がり、退屈な生活にもいよいよ拍車がかかってきた。
朝、起きて学校へ行く。
そしてホームルームまでの空き時間に数人の女子が近づいてくる。
「ねぇねぇ、神島くんって昔、陸上部だったんでしょ?」
よく晴れたいつも通りの今朝も、やはりいつものように数人の女子が寄ってくる。
「…」
いちいち対応するのも時間の無駄なので、机に入れてあった本を手に取り、読書を始めた。
「やっぱり速かったの?」
無視してるにも関わらず女子達は閉まる事のないその口で勝手に喋り出す。
「流弥くんってクールだよねぇ、私と付き合ってみない?」
「あっ、ずる~い!私も神島くん狙ってるんだから!」
わらわらと女子が増えていく。
黙ってる奴のどこが良いのかが今だに理解できない。
コミュニケーションのできない、ただの空気君じゃないか。
「ねぇ、どうなの?私でしょ!」
「…」
沈黙を貫く俺とは対照的に女子達は答えをカラスのように騒ぎながら待っている。
いい加減、苛々してきたのでトイレに行く事にした。
トイレならさすがについて来れないだろうと思ったからだ。
案の定、女子達は俺がトイレを目指している事を早くも理解するとついて来る人は一人もいなかった。
最初のコメントを投稿しよう!