~第一章『退屈』~

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人との関わりはすぐに壊れる。 そんなものに俺は振り回されるのはごめんだ。 「…そう、わかったわ」 「…」 やっと諦めてくれたようだ。 湊にああいう眼差しを向けると胸がムカムカとざわつく。 それがどういう感情なのかは本人である俺でもわからない。 ただ、凄く胸がざわつく。 たった、たかがそれだけなのに俺は、そのざわつきを恐れている。 だから、今はみんなと一定以上の距離は保つようにした方がいい。 湊のためにも、そして自分のためにも。 「じゃっ、私もここで食べる!」 「はっ?」 思わずそんな間抜けな声が流弥の口から発せられる。 フェンスに腰掛けていた流弥の隣にドカッと座り込むと湊は右手に持っていた自分の弁当を地べたに広げ始めた。 「おいっ!なにやってんだよ!」 自分にしては珍しく声を荒げて叫んだ。 なんでコイツはいつもいつも思っている事と正反対の事をするんだ!! 「なにって、お弁当を食べようとしてるだけだけど…」 「そうじゃなくて、どうしてここで食べようとしてんだよ!」 痛い、恐い、そんな感情ばかりが心の中を堂々巡りする。 早く俺から離れてくれ! 「だめ?」 あからさま顔が強張っている俺に湊は上目使いで見てくる。 胸が激しく脈打つ。 なんなんだよ。 「~ッ!!わかったよっ」 やっぱりコイツは苦手だ。 だけど、一緒に居たいと思う。 一緒に居ると胸が苦しくなるのに、たまにその時間がむず痒いほど愛おしく思える。 あんな顔されたら断るもんも断れねぇよ。 この気持ちはなんなのだろう?
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