始まり

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全ての行事が終わり、下校時間になった。 「さてと…」 荷物をまとめ、帰る支度をする。 僕は、一人で帰るのが好きだ。 別に友達がいないからとかではなく…。 たた単純に、帰り道の景色が好きなのだ。 それをどうしても一人占めしたくて、誰とも一緒に帰らない。 「えーっと…」 げた箱に着いたのだが、クラス替えをしたせいで靴箱の場所が分からない。 「靴箱どこだったっけ…?」 靴箱がたくさん並ぶ中を一人でうろうろとする。 「靴箱はこっちだよ」 「え?」 突然誰かに話しかけられる。 「渡辺君って、結構ドジだね」 振り向くと、クスクスと笑う沙希がいた。
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