始まり

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「ありがとう!!」 そう言い、その場に立ち止まる沙希。 「じゃあ、明日からボディーガードよろしくぅ」 そう言いながら沙希が親指を立てる。 「はぁ…?了解です」 どうして僕がこんな目に…。 「でさ、あたし…この帰り道の中で一番好きなところがあるんだ」 「好きなところ?」 もしかして…とまた僕は思った。 なぜなら、僕にも同じように一番好きなところがあったからだ。 「もう少しのところだよ」 「へぇー…」 もう少し…となると、僕が一番好きなところも近い。 特に何かを喋るわけでもなく、ただ歩き続ける。 「着いた、ここだよ」
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