二人

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「暑い…」 アブラゼミの鳴き声とコンクリートの照り返しがひどい道を一人で歩く。 朝の天気予報で、今日の気温は30度を超えると言っていた。 今日は学校の終業式で、いつもより早い時間に学校が終わった。 なので、今日はいつもより早く病院に行くことができる。 「びっくりするだろうなぁ…」 左手に持った小さいヒマワリの花を見て一人でニヤニヤと笑う。 ……。 念のために周りを見渡す。 …よし、誰もいないな。 一人でニヤニヤしているなんて、この暑さで頭がおかしくなったと思われるに違いない。 「早く行かなくちゃ」 流れる汗を気にせず、少し早足で歩いた。
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