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「やっと着いた…」
大きい自動ドアをくぐると、エアコンの涼しい風が全身にあたる。
そしてそれと同時に病院特有の薬の匂いが鼻につく。
汗のせいで背中に服がべったりとくっついてしまい、なんだか少し気持ち悪い。
「あら、孝司君。今日も来たの?」
顔なじみの看護婦さんに声をかけられる。
「はい。今日は終業式だったので」
「あ、そうか。もうそんな時期なのね。そのヒマワリ、どうしたの?」
そう言いながら看護婦さんが左手にあるヒマワリを指差す。
「これですか?学校の花壇に咲いてたんで、内緒で採ってきちゃいました」
「学校の花壇からって…大丈夫なの?」
看護婦さんが心配そうな顔をする。
「大丈夫です。他にもたくさん咲いてたので。」
「そっか、ならいいわ。それ見たら、きっと沙希ちゃんも喜ぶわね」
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