かぐや姫

10/62
前へ
/62ページ
次へ
「さぁて。竹は取ったし、こんな可愛い授かりものももらった。帰ろうか。」 茜さす竹林に、のびた影がゆらいでいた。 「わしの名は、竹取りの翁じゃ。ばあさんとずっと二人暮らしでの、子供が欲しくてなぁ……。」 翁のやせた腕の中で、姫子はすやすやと眠っていた。 「お前さんには、名前をつけないとな。輝く竹から生まれた女の子じゃから………かぐや姫というのはどうじゃ?ん?」 姫子の体に、異変が起こり始めていた。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加