かぐや姫

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――今日も、独り。 同級生が、遠巻きに私を見ている。 くす、くす。 …キモい…ブス…化け物… 初夏の風にのって、汚い罵りの囁きが聞こえる。 新品の机には、醜い私の姿が写る。 細い目、薄くまだらな眉、下膨れの大きな顔、貧相な唇、ださい黒髪。 昔から、この顔のせいで随分いじめられてきた。16歳の、今も。 皆、なんであんなに楽しく話せるんだろう…。なんで、あんなに垢抜けているんだろう。 なんで、私だけがこんなに醜いのだろう。
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