かぐや姫

9/62
前へ
/62ページ
次へ
若竹の、清冽な匂いが姫子の鼻をついた。 その目に映ったのは鮮やかな緑の光と、翁。 「た…竹の中から…人が…」 翁は、歯のない口をふがふがとさせた。 「ああ…また、化け物だとか、不細工とか言われるかな…。」 姫子は、がっくりとうなだれた。 「なんと可愛らしい赤ん坊なんだ。わしと一緒に来ないか??ん?」 ?! 今、可愛いって…? 翁は、姫子を優しく抱き上げた。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加