9人が本棚に入れています
本棚に追加
人気のない道を走っているリムジンの中、太郎はカバンからパソコンを取り開いた
「何をなさっているのですか?」
隣にいるボディーガードであり、世話係の男、太郎に質問をする
「授業に遅れをとらないように僕の席に盗聴機をおいたんです」
「なるほど、でもそれは……」
「許可は取ってあります」
太郎が男の言葉に直ぐ様返すと、パソコンから声が出始めた
そして、キーボードを打ちはじめる
「授業を聞きながら仕事をするとは……さすがですね」
「こうでもしないと両立出来ませんので……」
太郎は会話をしながら手を動かすが、ふと窓の外を見る
「車を止めてください」
太郎が無線で前にいる運転手に言うと、車は左に寄り止まる
「どうなさいましたか?」
「裏路地で犯罪が起こりそうです。神谷さん、見てきてください」
「了解しました」
太郎が神谷と呼ばれた、先ほどまでの話し相手は車を降りる
神谷がドアを閉めた瞬間、車が走りだした
神谷は慌てて車を追いかけるが追いつかなかった
「何故勝手に……」
太郎が言葉は運転手との間にあるガラスの窓が開き、投げられてきた物体に遮られる
「睡眠ガス……!」
太郎はその物体を見て叫び、慌てて鞄の中を探った
最初のコメントを投稿しよう!