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「僕が助かる確率98、3%」
睡眠ガスが車内を侵食していくなか、太郎は鞄から水筒を取りだし、前のガラスを割る
「なっ……!?防弾ガラスじゃねぇのかよ!」
前にいた白髪頭の運転手は叫び、全窓を開ける
「それは横の窓だけです」
太郎はそう言葉を発するとパソコンを開き、何かを打ち始めた
そして睡眠ガスは太郎の足元の排気口に吸い込まれる
「この車は普通のリムジンじゃない。僕を守るために造られた最新型リムジンです」
「でも運転してるのは俺だぜ?」
運転手のその言葉に太郎は笑みを浮かべる
「衛生システムにアクセス。ファイアウォールを突破。M-203、手動操縦から遠隔操縦に切り替え。速度を落とし、左脇に停車。後部座席のドアロックを解除」
太郎はパソコンを打ちながら、言葉を発する
「な、何で止まるんだ!俺はアクセル踏んでるんだぞ!」
車は太郎の言葉通り、左脇に止まる
そして、後部座席のドアロックだけが解除された
「衛生システムから離脱。」
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