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『……この議題について世界最少年の政治家、太郎くんに意見を……』
「泰典(ヤスノリ)、いつまでテレビ見てんだよ。仕事に行く時間だぞ」
「ああ」
泰典と呼ばれた黒のスーツを着たショートヘアーの男はテレビのニュースを見ていた
しかし、ある男によってテレビを消される
「伸介(シンスケ)、もうちょっとだけ待ってくれ」
伸介という男は先程テレビを消した人物である
伸介は黒のベリーショートヘアーで、緑のスーツを着ている
「いや、もう7時40分だぞ。これ以上待ってると遅刻する」
「はあ……わかったよ」
伸介の言葉に泰典は溜め息をつき、重い腰を上げる
「お前もいい加減、免許とれよ」
伸介が靴を履きながら言う
「金がない」
同じく泰典も靴を履きながら答える
「それぐらい出してやるさ。俺達は親友じゃなくて、もう家族なんだからな」
「そうなのか?」
「いや、実際は違うけど、俺の母さんも父さんも、妹もお前のことを家族だと思ってるんだ。遠慮するなよ」
伸介は玄関の扉を開け、ガレージにある車に向かう
「遠慮とかそういうのじゃない。ただ、運転するのが怖いだけだ」
伸介について行きながら、泰典は言う
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