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「怖い?お前が?いつも無表情じゃないか。長年一緒にいる俺でさえ、まだ楽しんでいる時しかわからないのに」
伸介はリモコンを取りだし、ガレージにある黒の乗用車に向けてボタンを押す
「俺は痛い時にも顔が変わってるはずだが」
「いや、変わってないし。この前ドアに小指をぶつけてもなにくわぬ顔をしてたじゃないか」
伸介と泰典は先程のリモコンにより、鍵が開いた車の扉を開ける
「あれは痛いな。二度とぶつけたくない」
「やっぱお前人じゃないかもな」
二人は車に乗り込むとドアを閉める
「なら科学者に調べてもらうか」
「いや、冗談だよ冗談。ジョークってやつ。わかるか?」
「俺は機械じゃないからわかるぞ」
「端から見たら機械に見えんだよ」
伸介はエンジンをかけ、車を走らせる
「それよりお前さ、ニュース見て面白いか?」
「ああ。時間が早く進む。それに世間の情報を手に入れることが出来る」
伸介の質問に泰典は、景色を見ながら答える
「情報を手に入れるって機械みたいな言葉だな」
「俺は機械だ」
「マジで!?」
「冗談だ」
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