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「レイン……、ね。ん、いい名前」
レフィーナは再び微笑むと、いきなりレインの手を握り、真剣な表情でレインの顔を見つめた。
「ねぇ、レイン。お願いがあるの」
「はぁ……、お願いですか……」
レインは握られた手の温もりと、周りの客からの好奇の目線に今すぐに飛び出したくなったが、レフィーナがそれを許さない。
「仕事……、手伝ってくれない?」
「はぁ?仕事って何の?」
「やってくれるの!?」
「一先ず話を聞くの。そして、その手を離せ」
レフィーナは残念そうな顔をすると、レインの手を離した。
そして、その綺麗な唇を開く。
「仕事っていうのは、ここの隣の村の村長さんからね、魔物の討伐を頼まれてて……。
その情報が欲しくてこの街まで来たんだけど、一人じゃどうも大変なのよね」
「へー、何て魔物?」
「それが……、ツリードラゴンみたいで。村長はそんなこと言ってなかったんだけど、色んな話を聞くうちにどうもそうらしいのよね。ツリードラゴンなんて一人じゃ不安、っていうか無理」
レインは、考え込むような仕草を見せる。
レフィーナはずっとレインにキラキラとした期待の眼差しを送っている。
「依頼、断れば?」
「嫌よ、ここまで情報集めて諦めるなんて」
レインは再び考え込んだ。
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