‐終わりの始まり‐

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テーブルに額をくっ付けた状態のレフィーナが、呪いを呟くようにぶつぶつと何かを呟き始めた。 (ひぃぃぃ……) レインはその何を言っているのか聞き取れない声と、レフィーナから漏れだしてくる黒いオーラに顔を青くし、声をかける。 「お、おい……」 「…………」 「おーい……?」 「…………」 「俺、手伝っちゃおっかなー?」 「…………」 「……俺、こんな美人抱いてみたかったんだよな」 レフィーナの肩がぴくんっと反応する。しめたとばかりに顔をにやつかせ、レインは更なる追撃をはかる。 「細いし、髪も綺麗で肌もすべすべ。そして……、美乳。俺、大きさより形派なんだよ」 「……ほんとに?」 か細い声が聞こえる。作戦は成功だ。後は機嫌を損ねないように話を合わせていくだけ。 「あぁ、本当だ」 「……じゃ、仕事手伝ってくれるの?」 「……ま、いいよ。俺も暇だし、さっきの修理代でいらん出費したし」 「……じゃあ、お願いね!」 がばぁっと顔を上げたレフィーナは既に笑顔で、やはりめんどくさい部類の女なんだとレインは再認識した。 .
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