‐終わりの始まり‐

11/88
前へ
/127ページ
次へ
「やっぱり胸は大きさより形よね?私も別に自分のが小さいとは思わないけど、大きくもないし。でも、形だけは自信あるのよね。そんじょそこらの出来損ないとは違うわ。もはや芸術。なんなら……、前払いとして触ってみる?感度も抜群。自分で触ったかぎりで……」 「ストーップ!いい加減やめろよ!何でさっきから胸について真剣な顔で熱く語ってんだよ!仕事の話しろよ!」 今まで頬杖をつきながら話を受け流していたレインだが、話が面倒な方向に走りそうだったので慌てて止めた。 自分の胸に手をあてがっているレフィーナは、何とも不満そうな顔をしている。 「頼むから、今は人前だということを考えてくれ……」 「自分だけのものにしたいの?ちょっと照れちゃ……」 「だまれ」 「きゃんッ」 レインは尚も暴走を続けるレフィーナにデコピンをくらわせ、ひきつった笑顔でレフィーナを見つめる。 「仕事の話をしてくんないかなぁ……!」 レフィーナはデコピンされたおでこを擦りながら、さすがに空気を読んで仕事の話を切り出した。 「まぁ、説明してもいいんだけど……。 私、明日いったんその村に行くことにしてるから、一緒に行って村長に話を聞きましょう。ツリードラゴンのことも聞かないといけないし」 レインもそれに同意し、明日の朝、この街の入り口に集合ということで今回は解散した。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

183人が本棚に入れています
本棚に追加