‐終わりの始まり‐

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翌朝、レインが欠伸をしながら入り口へと歩いていくと、既にレフィーナが待っていた。 「おはよ」 「……おう」 軽い挨拶を交わし、門の方へ歩いていく。 街は小さいが、簡単な防壁に囲まれている。もちろん、魔物の侵入を防ぐ為だ。自警団も駐在し、終日、街の平和を守っている。 そんな自警団の門番に話を通し、レフィーナとレインは外へ出た。 辺りは開けた平原で、見渡しが良い。魔物もこのような場所に出てくるのは、弱いか、大抵は出てこない。 遠くの方に森が見え、その近くに目的の村があるのだという。 レインとレフィーナは早速、その村に向け舗装された街道を歩きだした。 「あー……、腹減った」 「朝食べてないの?」 「んー、寝坊しちまったからな」 レインの横を歩くレフィーナは、それを聞くと腰に下げてあるポーチをゴソゴソと探り出した。 しかし、なかなか目的のものが見つからないのか、ついには立ち止まって漁りだした。 「あら?おかしいわねー」 「それ、拡張ポーチ?」 「んー?そうよー?旅には必要不可欠でしょ?まぁ、安物だからそんなに量は入んないけどね……、あった!」 レフィーナが嬉々とした表情で、ポーチから何かを取り出した。 ちなみに拡張ポーチとは、特殊な仕掛けでポーチの中の広さを拡張したもので、一般に値段の高いものほどモノが沢山入る。 レフィーナはそのままその取り出した何かを、レインへと手渡した。
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