序章

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駆け寄ってくる音が聞こえる 震えが止まらないまま私はゆっくりと顔をあげる 「すまん!チャリのブレーキがいきなり利かなくなっちまった」 自転車を退ける彼は どうやら白城学園の生徒らしかった マンモス校だし、名前なんか分からないけど 結構派手な人だ 肩くらい伸びた黒い髪に所々金色のメッシュが入ってる 暑いのかトップをゴムでくくっていて そのせいで見えていた耳にはすごい数のピアスをつけていた 一つ気になったのは 彼のスタイルには似合ってない 可愛らしいピンクのガラスの靴がモチーフのチョーカー ほんとにガラスみたいで日の光を浴びてきらきら光っていた 「怪我ないか?」 自転車を処理した彼は私を心配そうな顔で見る
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